こんにちは。越谷市せんげん台のパーソナルジム「トータルボディメイキングスタジオI’s(アイズ)」です。
「朝食は食べるべきですか?」という質問を、ジムでよく受けます。聞いてくる方の顔には大体こう書いてあります。「ネットで調べたら食べろという人と食べるなという人がいて、どっちが正しいのか分からなくなった」。
正直に言います。どちらも間違ってはいない。でも、どちらも「あなたに」正しいとは限らない。結論から言えば、朝食を食べるべきかどうかはその人によって違います——ただし、この「人による」という言葉をきちんと説明するために、今日は少し丁寧に書いてみます。
「朝食は一日の活力源」という常識はどこから来たのか
「朝食は一日で一番大事な食事だ」という考え方は、ずいぶん長い間当たり前のように語られてきました。学校でも教わったし、健康番組でも言われる。でもこれ、どのくらいの根拠があるのかというと、思っているより弱い。
この言葉の起源として有名なのが、20世紀初頭にアメリカのシリアルメーカーが仕掛けたマーケティングです。それが「朝食は絶対に食べなければいけない」という文化的な信念に変わっていった経緯があります。全部そこから来ているとは言いませんが、「科学的な確信」よりも「繰り返されてきた常識」の部分が大きい。
一方で、朝食を食べることに科学的な意味がないわけでもない。朝食を食べる習慣のある人の方が体重管理がうまくいっているという観察研究はあります。ただしこれは「朝食を食べたから痩せた」のか、「健康意識が高い人がたまたま朝食も食べていた」のかが分からない。相関と因果を混同しがちなところです。
インターミッテントファスティングが流行った理由
ここ数年で急激に広まった「インターミッテントファスティング(IF)」、特に16時間断食(16:8)。夜8時に食べ終えたら翌日の昼12時まで食べない、というやり方です。これを実践すると朝食は自然と「食べない」選択になる。
なぜこれが注目されたかというと、断食中にオートファジー(細胞の自己清浄機能)が活性化されるという研究が出てきたこと、インスリンが低い状態が続くことで脂肪が燃えやすくなるという理論が一般に広まったことが大きい。実際、一定の人には効果的です。
ただし断っておくと、16時間断食が「すべての人に効く魔法」かというとそうでもない。研究を丁寧に見ると、IFの効果の多くは「食べる時間を制限することで総カロリーが自然に減る」という部分によるところが大きい。食べない時間を作ることで食欲が増してかえって食べすぎる人には逆効果になります。
代謝と朝食の関係——「食べると代謝が上がる」は本当か
「朝食を食べないと代謝が落ちる」という話があります。食事誘発性熱産生(DIT)といって、物を食べると消化・吸収のためにエネルギーを使い、体温が少し上がる。これは本当のことです。
でも、これは「朝に食べた場合だけ代謝が上がる」わけではない。昼に食べても夜に食べても、同じように起きます。「朝食を抜くと1日の代謝が落ちる」というのは正確ではなく、「1日のトータルで食べる量が減れば代謝への影響が出る可能性がある」という話です。朝食を抜いても昼と夜でしっかり食べていれば、代謝への悪影響はほとんど出ません。
もう一つ。コルチゾール(ストレスホルモン)は起床直後にピークを迎えます(コルチゾール覚醒反応)。このタイミングは血糖値を上げる方向に働くため、インスリン感受性が下がりやすい時間帯でもある。つまり朝は、糖質をたくさん食べると血糖値スパイクが起きやすい状態にある。これを「だから朝食は食べるな」という根拠にする人もいますが、ここも「朝は糖質過多を避けた方がいい」という話であって「朝食は食べるな」とはまた別の話です。
結局、何が大事なのか
10年間ジムで体作りをお手伝いしてきて思うのは、朝食を食べる・食べないよりも、次のことの方がずっと結果に影響するということです。
1日のたんぱく質が足りているか。筋肉を守りながら体脂肪を落とすには、体重1kgあたり1.5〜2g程度のたんぱく質が必要です。朝食を抜くと、たんぱく質を3食に分けて摂れなくなるので、昼と夜でしっかり補えるかどうかが重要になる。ここが甘くなる人には「朝食を食べた方がいい」になります。
空腹で食べすぎていないか。朝を抜いて昼に大量に食べてしまう人、夜に暴食してしまう人には、朝食を抜くことが逆効果になる。「お腹が空いたら理性が飛ぶ」という自覚がある人は、適度に何かを口に入れておいた方がうまくいきます。
総カロリーと食事の質が整っているか。朝食の有無にかかわらず、1日を通じた摂取カロリーが体の変化を決めます。朝食を食べても食べなくても、トータルが適切であれば結果はそれほど変わりません。
筋肉の合成は24時間続いているプロセスですが、「食事のたびにたんぱく質を入れること」が合成の質を高めます。筋肉をつけたい・筋肉を守りながら痩せたいという目標がある場合、朝にたんぱく質源(卵・納豆・プロテインなど)を摂ることは積極的に意味があります。
「あなたはどちらが合っているか」の見極め方
朝食を食べた方がうまくいく人のパターンがあります。起きてすぐ空腹感があり、食べないと午前中に集中できなくなる人。朝食を抜くと昼または夜に食べすぎてしまう人。たんぱく質を1日3食に分けないと目標量を達成しにくい人。体重管理より筋肉量の維持・向上を優先している人。
一方、朝食なしの方が合う人もいます。朝は食欲がなく、無理に食べると気分が悪くなる人。朝食を食べることで昼にもお腹が空いて、トータルの食事量が増えてしまう人。食事の時間を短くすることで自然にカロリーをコントロールできている人。睡眠の質が良く、起床後しばらくはエネルギーが満たされている感覚がある人。
どちらが「自分に合っている」かは、正直なところ試してみるのが一番早い。2〜3週間、朝食を食べるパターンと食べないパターンをそれぞれ試して、体重・体調・午前中のパフォーマンス・夜の食欲を観察してみる。そのデータが、どんな研究よりも「あなたにとっての正解」を教えてくれます。
「朝食は食べるべきか」という問いへの私の答えは、「あなたが朝食を食べた日と食べなかった日、どちらが1日を通じてうまくいきましたか?」という質問で返すことにしています。その答えの中に、あなた自身の正解があります。
どちらが正解かを探すより、自分の体の反応をよく観察することの方がずっと大事です。ルールに体を合わせるのではなく、自分の体を観察してルールを作る——それが体と長く付き合っていくための、現実的な方法だと思っています。
食事の整え方からトレーニングまで、あなたのペースで一緒に考えます。
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