加圧トレーニングとは?

加圧トレーニング(BFR: Blood Flow Restriction Training)は、専用の加圧ベルトを使って適度に血流を制限しながら低負荷で行うトレーニングです。通常のウェイトトレーニングと比べて、軽い負荷(約20〜30%1RM)で高い筋肥大効果やホルモン分泌を促すことが特徴です。
では、加圧トレーニングが血管の柔軟性や成長ホルモンの分泌にどのような影響を与え、通常のウェイトトレーニングとどこまで違いがあるのか、エビデンスを基に詳しく解説していきます。
1. 血管の柔軟性への影響
加圧トレーニングによる血管の適応
加圧トレーニングは、血管の柔軟性(コンプライアンス)を向上させることが報告されています。加圧によって血流が一時的に制限され、解放されると血管が拡張するリバウンド効果が生じます。これにより、血管の内皮機能が改善し、柔軟性が向上すると考えられています。
エビデンス①:血管機能の向上
2013年の研究(Ozaki et al.)によると、BFRトレーニングを8週間継続した結果、動脈の拡張能が向上し、血管の柔軟性が改善されたと報告されています。また、BFRトレーニング群は通常のウェイトトレーニング群と比べて、血管拡張反応が大きかったことが示されました。
通常のウェイトトレーニングとの違い
一般的なウェイトトレーニングも血管の柔軟性を改善する効果がありますが、高負荷で行うと血圧の急激な上昇を招くため、一時的に動脈の硬化が起こる可能性があります。一方、BFRトレーニングは低負荷で血管を適度に刺激できるため、血管の柔軟性向上にはより有利と考えられます。
2. 成長ホルモンの分泌への影響
加圧トレーニングと成長ホルモンの関係
成長ホルモン(GH: Growth Hormone)は、筋肉の成長や脂肪燃焼に重要な役割を果たします。加圧トレーニングは、成長ホルモンの分泌を通常のウェイトトレーニングよりも大幅に増加させることが報告されています。
エビデンス②:成長ホルモンの分泌量
2000年の研究(Takarada et al.)では、加圧トレーニングを行った被験者の成長ホルモン分泌が通常のウェイトトレーニングと比較して290倍に増加したと報告されています。特に、低負荷(20-30% 1RM)で行っても、高強度トレーニングと同等以上の成長ホルモン分泌が見られました。
なぜ成長ホルモンが増えるのか?
- 血流の制限により筋肉内の代謝ストレスが増加し、成長ホルモンの分泌を促進する。
- 筋肉内の乳酸濃度が上昇し、成長ホルモン分泌の引き金となる。
- 低負荷で行うため神経的な疲労が少なく、トレーニング後も成長ホルモンの分泌が継続しやすい。
通常のウェイトトレーニングとの違い
通常のウェイトトレーニングでも成長ホルモンの分泌は増加しますが、高負荷(約70%1RM以上)をかけないと十分な分泌が得られないのが一般的です。そのため、初心者や高強度トレーニングが難しい人にとって、加圧トレーニングは効率的な選択肢になります。
3. 実践のポイント:どちらを選ぶべき?
加圧トレーニングが向いている人
- 血管の健康を改善したい(動脈の柔軟性を高めたい人)
- 低負荷で効率的に筋力・筋肥大を促したい
- 成長ホルモンを効率よく分泌させたい
- 関節への負担を減らしたい(リハビリや高齢者向け)
通常のウェイトトレーニングが向いている人
- 高負荷トレーニングができる人
- 神経系の強化やパワー向上を狙うアスリート
- 特定の部位に強い負荷をかけて鍛えたい人
まとめ
血管の柔軟性に関して
✅ 加圧トレーニングは血管の拡張能を高め、柔軟性向上に優れる。 ✅ 通常のウェイトトレーニングでも効果はあるが、高負荷で行うと血圧上昇による影響が懸念される。
成長ホルモン分泌に関して
✅ 加圧トレーニングは成長ホルモンの分泌量を大幅に増やす(最大290倍) ✅ 通常のウェイトトレーニングでは、高負荷でなければ同様の効果を得にくい。
加圧トレーニングは血管の柔軟性を向上させながら、成長ホルモンの分泌を劇的に増加させる優れたトレーニング法です。低負荷でも高い効果を得られるため、初心者からアスリートまで幅広く活用できます。
自身の目的に応じて、加圧トレーニングと通常のウェイトトレーニングを上手に組み合わせて、最大限の効果を引き出していきましょう!
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