こんにちは。越谷市せんげん台のパーソナルジム「トータルボディメイキングスタジオI’s(アイズ)」です。
コンビニの棚を思い浮かべてください。「糖質オフ」「ヘルシー」「プロテイン入り」「ゼロ」「ナチュラル」。パッケージには、体に良さそうな言葉があふれています。体を変えたいと思っている方ほど、こういう言葉に手が伸びます。私も、気持ちはよく分かります。
ただ、ジムで食事の記録を一緒に見ていると、ときどき不思議なことが起きます。「ヘルシーなものを選んでいるのに、全然痩せないんです」という相談で、記録を拝見すると、グラノーラ、プロテインバー、糖質オフのお菓子、野菜ジュース、スムージーが並んでいる。本人は、体に良いものを選んでいるつもりです。実際、悪いものを食べているわけでもない。でも、合計してみると、思っていたよりずっとカロリーが多い。
今日は、こういう「ヘルシーと書いてあるもの」をどこまで信じていいのか、という話を書きます。メーカーを責めたい話ではありません。ラベルの言葉と、中身の数字は別のものだ、という当たり前のことを、もう一度整理したいだけです。
「ヘルシー」には、決まった定義がない
まず、基本的なところから。「ヘルシー」という言葉に、法律上の明確な基準はありません。「ヘルシー」「ナチュラル」「体にやさしい」「からだ想い」「ライト」——こういった言葉は、栄養成分の量で定義されているわけではなく、基本的には広告上の雰囲気を伝える言葉です。もちろん、事実と違う表示で消費者を誤認させることは、別の法律で規制されています。でも、「ヘルシー」と書くこと自体に、何かの数値基準をクリアする必要があるわけではありません。
一方で、「糖類ゼロ」「低脂肪」「カロリーオフ」のように、栄養成分に関する強調表示には、食品表示のルールで基準が決められているものがあります。たとえば「糖類ゼロ」と書けるのは、100gあたり(飲料なら100mlあたり)の糖類が0.5g未満の場合、といった具合です。この基準自体は、きちんとしたものです。
問題は、その基準が「100gあたり」「100mlあたり」で決められていることと、「ゼロ」が本当のゼロを意味しないことです。0.5g未満なら「ゼロ」と書ける。つまり、小さい量なら問題にならなくても、たくさん食べたり飲んだりすれば、塵も積もれば何グラムかになる。「ゼロだから何杯飲んでも大丈夫」とは言えません。
また、こうした表示の基準は、ときどき見直されます。具体的な基準値を確認したいときは、消費者庁の最新の情報を参照してください。この記事で書くのは、あくまで「大まかな考え方」です。
「ヘルスハロー」——体に良さそうだと、人は多く食べる
ここで、少し心理学の話をします。「ヘルスハロー効果」という言葉があります。ハローは、聖人の頭の後ろにある光の輪のこと。ある食べ物に「体に良さそう」という印象がつくと、その印象が光の輪のように広がって、実際の中身以上に良いものだと感じてしまう、という現象です。
この効果が厄介なのは、行動に影響することです。「低脂肪」「ヘルシー」と書いてあるお菓子を食べるとき、人は無意識に、「これなら多めに食べても大丈夫」と感じる傾向があることが、複数の研究で報告されています。実際に、体に良さそうな印象のある食べ物ほど、食べる量が増える、という傾向が観察されています。そして、そのカロリーの見積もりも、実際より低くなりがちです。
もう一つの落とし穴が、「ご褒美」との組み合わせです。「今日はヘルシーなものを選んだから」「運動したから」という理由で、食べる量やおやつを増やしてしまう。これは、以前書いた道徳的許可という心理とも重なります。体に良いことをした、という感覚が、次の「少し多め」を許してしまう。
つまり、「ヘルシーと書いてあるものを選ぶ」という行為は、選んだ時点で食事の質が上がるとは限らず、むしろ「選んだ安心感」が量を増やす方向に働くことがある、ということです。これは意志の弱さではなく、人間の自然な心理の癖です。知っておくだけで、少し気をつけられます。
「糖質オフ」「糖質ゼロ」の実態
では、一つずつ見ていきましょう。まずは、糖質オフ・糖質ゼロ系の商品です。
最初に整理しておきたいのが、「糖質」と「糖類」の違いです。炭水化物は、大まかに、糖質と食物繊維に分けられます。糖質の中には、砂糖やブドウ糖のような「糖類」と、でんぷんのような多糖類、そして糖アルコールなどが含まれます。「糖類ゼロ」は、このうち糖類(砂糖など)が少ないことを示していて、糖質全体が少ないとは限りません。
私の理解では、「糖類」には強調表示の基準が定められている一方で、「糖質」について、同じようにはっきりした基準は設けられていません。そのため、「糖質オフ」「糖質ゼロ」と書かれていても、どの程度減っているのか、何と比べて減っているのかは、商品によってまちまちです。「オフ」「カット」といった表現は、基本的に、何か他のものと比べて減らしたという相対的な言い方で、「低糖質」を保証する言葉ではありません。
次に、「糖質が少ない=カロリーが少ない」ではない、という点。糖質を減らした代わりに、脂質やたんぱく質、あるいは糖アルコールが増えていることがあります。糖質オフのチョコレートやお菓子、パンなどは、バターや植物油脂を多く使って食感を保っているものも多く、カロリーは通常品とあまり変わらない、ということも珍しくありません。「糖質が少ないから太らない」とは、単純には言えません。
糖アルコール(エリスリトール、マルチトールなど)が使われている場合も、少し注意が必要です。甘みはあっても、血糖値を上げにくい種類もあります。ただ、種類によってカロリーや吸収のされ方が違いますし、摂りすぎるとお腹がゆるくなる方もいます。「糖質ゼロのお菓子を食べたらお腹を壊した」という相談は、実際にあります。
そして、飲み物では、「糖質ゼロのビール系飲料」でも、アルコール自体にはカロリーがあります。「糖質ゼロだから」と量が増えれば、カロリーも増えます。運動後のお酒の話でも触れましたが、アルコールは体づくりの観点では、別の意味でも気をつけたい飲み物です。
念のため書いておくと、糖質を控える食事法自体を否定しているわけではありません。上手に使えば有効なこともあります。ただ、それは「食事全体を設計した上で」の話で、「糖質オフと書いてあるものを選べば安心」という使い方とは別物です。
①「何と比べて」オフなのか(通常品との差はどのくらいか) ②糖質が減った代わりに、脂質やカロリーは増えていないか ③1回に食べる量が、表示されている量と合っているか。この3つを見るだけで、印象はかなり変わります。
プロテインバー——お菓子とサプリの間にあるもの
次は、プロテインバー。運動している方、体を変えたい方には人気で、コンビニやドラッグストアで手軽に買えます。ジムでも、「あれはどうですか」とよく聞かれます。
結論を先に言うと、プロテインバーは、「便利な補食」としては有用です。ただし、「ヘルシーなお菓子」と思って食べるには、注意が必要です。
製品によって大きく違うので一概には言えませんが、プロテインバーには、100〜250kcal前後で、たんぱく質10〜20g前後のものが多く見られます。たんぱく質が摂れるのは確かに良い点です。ただ、同時に、糖質や脂質も一定量含まれています。チョコレートでコーティングされているものや、水あめ、植物油脂、ナッツ類がたっぷり入っているものは、見た目が「バー」でも、栄養的にはお菓子に近いものもあります。
「たんぱく質がたくさん入っているから、いくら食べても大丈夫」と考えてしまうのが、一番の落とし穴です。たんぱく質が10g入っていることと、全体のカロリーが少ないことは、別の話です。たんぱく質を摂りたい目的でバーを食べたのに、結果として、糖質と脂質も一緒に摂っている。これが、思っていたより痩せない原因になっていることがあります。
もう一つ、満足感の問題があります。バーは、小さくて食べやすい反面、噛む回数が少なく、食べたという満足感が得にくいことがあります。たとえば、ゆで卵2個とバナナ1本という組み合わせと、プロテインバー1本を比べると、後者の方が「食べた感」が小さくて、すぐにまた何か食べたくなる、という方もいます。
では、どう使うのがいいのか。私がおすすめしているのは、次のような使い方です。まず、「食事の代わり」ではなく、「食事で足りないたんぱく質を補う手段」として使う。外出先でしっかり食事が摂れないとき、運動後にすぐ何か口にしたいときなど、場面を決めて使う。そして、毎日の習慣にするなら、他の食事とのバランスを見ながら、1日1本程度までに。
また、「おやつをバーに替えた」というのは、お菓子より良い選択になることが多いです。ポテトチップスや甘いパンのかわりにプロテインバーを選ぶなら、たんぱく質が摂れる分、改善と言えます。ただ、「バーを食べたから、他の間食も増えた」では、意味がありません。
最後に、味や食感を整えるために、甘味料や香料などが使われている製品も多いです。特に問題があるわけではありませんが、「無添加が体にいい」とも限らないのと同じで、一長一短です。気になる方は、原材料の欄を見て、自分が納得できる範囲のものを選んでください。
グラノーラ——「朝食の優等生」の実態
三つ目は、グラノーラ。オーツ麦、ナッツ、ドライフルーツが入っていて、いかにも体に良さそうな食べ物の代表です。朝食の定番にしている方も多いと思います。
グラノーラが「ヘルシー」というイメージを持たれるのには、理由があります。素材が、オーツ麦(食物繊維が豊富)、ナッツ(良質な脂質)、ドライフルーツと、確かに良さそうなものばかり。ただ、作り方に目を向けると、少し見え方が変わります。
多くのグラノーラは、オーツ麦などを、油と糖類(砂糖、はちみつ、シロップなど)で絡めて、オーブンで焼いて作られています。あの「ザクザク」「カリカリ」とした食感は、油と糖で固めて焼いているから生まれるものです。つまり、グラノーラは、栄養的には「ご飯」というより、「甘くて油分の多いお菓子寄りの穀物加工品」に近い側面があります。
カロリーの数字を見てみましょう。製品によって差がありますが、グラノーラは、100gあたり400〜480kcal程度のものが多く見られます。ご飯茶碗1杯(約150g)が約250kcalですから、グラノーラ100gは、ご飯1.7杯分くらいのカロリーです。
ここで、もう一つの罠があります。「1食分」の表示です。パッケージの栄養成分表示は、「1食分(たとえば40〜50g)あたり」で書かれていることが多く、その数字だけを見ると、200kcal前後で、そこまで高くない印象になります。ところが、実際にボウルに入れて食べる量を測ってみると、60〜100gくらい入れている方が多い。そうすると、表示の1.5〜2倍のカロリーを摂っていることになります。これに、牛乳やヨーグルト、ドライフルーツ、はちみつを足すと、朝食だけで500kcal以上、ということもあります。
グラノーラが悪い食べ物というわけではありません。食物繊維や良質な脂質を含んでいて、栄養的な価値もあります。ただ、「たっぷり食べても大丈夫なヘルシーな朝食」ではない、ということです。
上手な使い方としては、「主食」としてボウル一杯ではなく、「トッピング」として少量使う方法があります。プレーンヨーグルトに大さじ2〜3杯のグラノーラをかける、といった形です。食感のアクセントとして楽しみつつ、量をコントロールできます。ご自身で量を測ってみる(キッチンスケールで一度測るだけでも、感覚が掴めます)のも、おすすめです。
また、砂糖が控えめのタイプや、オートミールそのものを使うという選択もあります。オートミールは、加工が少ないぶん、糖や油の添加が少なく、食物繊維もしっかり摂れます。甘みが欲しいときは、少量のフルーツやシナモンで十分です。
他にもある「ヘルシーに見える落とし穴」
この三つの他にも、同じ構造の食べ物はたくさんあります。いくつか挙げておきます。
野菜ジュースや果物ジュースは、野菜や果物の代わりになる、と思われがちです。ただ、製造の過程で食物繊維の多くが取り除かれていたり、飲みやすくするために果汁や糖分が加えられていたりする製品があります。野菜そのものを食べるのとは別物として考える方が、実態に近いです。
スムージーも、フルーツをたっぷり使うと、糖分とカロリーがかなり多くなります。「飲み物」として摂ると、噛む手間がないぶん、満腹感が得にくく、ついたくさん飲んでしまう。固形のフルーツで食べる場合と比べて、満足感が違います。
低脂肪・ノンファットの製品は、脂肪を減らした分、味や食感を補うために、糖分が増やされていることがあります。「低脂肪=低カロリー」とは限りません。
サラダも、ドレッシングやクルトン、チーズ、マヨネーズ系の具材が加わると、一品で相当なカロリーになることがあります。「サラダだけの食事なのに、カロリーが意外と高い」というのは、外食のサラダでよくある話です。
「オーガニック」「無添加」「無農薬」といった表示は、品質や製法についての話で、カロリーや糖質の多寡とは別の話です。体に良いかどうかと、太りにくいかどうかは、別々に考える必要があります。
そして、機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)についても、以前のダイエットサプリの記事で書いたように、「表示がある=大きな効果が約束されている」わけではありません。表示の内容と、実際に期待できる効果の大きさを、冷静に見比べる必要があります。
ラベルの見方——数字を3か所だけ見る
ここまで読むと、「結局、何を信じればいいのか」と思われたかもしれません。実際に使える見方を、シンプルにまとめます。全部の項目を気にする必要はありません。3か所見れば十分です。
一つ目は、「何gあたりの数字か」。栄養成分表示の一番上にある、「1食分(〇g)あたり」「100gあたり」という表記を見ます。1食分が、自分が実際に食べる量と合っているかが大事です。グラノーラのように、1食分が小さめに設定されている食品は、ここが一番ズレやすいです。
二つ目は、「エネルギー(kcal)」と「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」。たんぱく質を目的にしているなら、たんぱく質の量と、それに伴うカロリーの比率を見ます。プロテインバーなら、「たんぱく質が10g入っていて、全体で200kcal」といった形で見ると、実態が分かります。炭水化物は、糖質と食物繊維に分けて書かれている場合、糖質の量を見ます。
三つ目は、「原材料名」の最初の方。原材料は、使用量の多い順に並んでいます。最初の3つくらいに、砂糖、水あめ、植物油脂、ショートニングといったものが並んでいたら、お菓子寄りの食品だと考えてよいでしょう。逆に、オーツ麦、大豆、卵、牛乳など、素材そのものが最初に並んでいれば、比較的シンプルな食品です。
この3つを見ても、「悪いもの」「良いもの」と決める必要はありません。「この食品は、自分の1日の中で、どんな役割を担うのか」を考えるための材料として使ってください。おやつの代わりなのか、不足しがちなたんぱく質の補いなのか、朝食の主食なのか。役割が決まれば、その役割に合った量と頻度が見えてきます。
「悪者探し」にしないために
ここまでの話は、「ヘルシーと書いてある食品を食べるな」という意味ではありません。むしろ、逆です。
プロテインバーも、グラノーラも、糖質オフ商品も、使いどころを知っていれば便利な食品です。忙しい日の補食、外出先での食事の補助、甘いものを食べたいときの少し良い選択肢——こういった場面では、助けになることも多い。
問題なのは、「ヘルシーと書いてあるから、量を気にしなくていい」と思うことです。これは、食品が悪いのではなく、「ラベルの印象と、実際の栄養の数字を混同すること」が原因です。
また、こうした話を知ると、「全部の食品を疑わなければ」と神経質になる方もいます。それも、あまりおすすめできません。以前書いた完璧主義の話と同じで、食べるたびに全部の成分を確認して、少しでも不安ならやめる、という生活は、長続きしません。ほとんどの食事は、ざっくりで構わないのです。
目安としては、「毎日のように食べているもの」と「週に1回食べるもの」を分けて考えること。毎日食べているものについては、一度ラベルを確認して、実際の量とカロリーを把握しておく。たまにしか食べないものは、気にしすぎずに楽しむ。この使い分けだけで、十分です。
10年の現場から——選んでいるのに変わらない理由
冒頭で書いた「ヘルシーなものを選んでいるのに痩せない」という相談で、食事を一緒に見ていくと、よくある共通点があります。
本人は、お菓子やジャンクフードを避けて、「体に良さそうなもの」を選んでいる。その選択自体は、とても真面目で前向きです。ただ、その分「これは体に良いものだから」という安心感があって、量や頻度が増えていることがある。朝はグラノーラ、10時にプロテインバー、昼は野菜ジュース、おやつに糖質オフのお菓子、夜は小腹が空いてスムージー——それぞれは悪くなさそうでも、合計すると、思っていたよりずっとカロリーが多い。
こうした方に、「やめてください」と言うことはしません。「この中で、一番満足感があるのはどれですか」「何を食べたときに、お腹が落ち着きますか」と聞きます。そして、小腹を満たす役割を、もう少し食事に近いもの(ゆで卵、ヨーグルト、納豆、おにぎりなど)に置き換えられないか、一緒に考えます。
もう一つ多いのが、「選ぶこと」が負担になっているケースです。ラベルを見て、成分を比べて、「これは大丈夫か」と悩み続ける。これは、食事を楽しむ余裕を奪います。そういう方には、「迷ったら、シンプルな素材のものを選ぶ」という、一つだけのルールをお伝えします。肉、魚、卵、豆腐、納豆、野菜、果物、ご飯。加工が少ないものは、ラベルの言葉に頼らなくても、中身が分かりやすいからです。
「ヘルシー」と書いてあるものを、全部疑う必要はありません。でも、全部信じる必要もありません。ラベルは、メーカーが伝えたいことを書いたもので、あなたの目的に合っているかどうかは、書いてありません。
見るべきなのは、裏面の数字と、実際に食べる量、そしてその食品が一日の中で担う役割です。それが分かれば、「ヘルシー」という言葉に振り回されずに、自分で選べるようになります。体づくりは、派手な言葉ではなく、地味な数字の積み重ねでできています。
食品の選び方や、毎日の食事の整え方を一緒に考えます。
まずはカウンセリングからどうぞ。